- 【性別】男性
- 【学年】現在は専門学校1年生
- 【診断された時期】中学2年生の時
- 【診断名】ADHD(注意欠陥・多動性障害)
ADHDの特徴について
私の子供は、小学生の時から勉強は嫌いでした。
特に文章を書いたり、応用を活かして計算することなどは、苦手であり苦痛であったようです。
その代りに美術と体育だけは通知表の成績は良かったです。中学に入ってからは、成績がどんどん落ちていきました。
苦手な教科に対しては、集中力がまったく持続しないようでした。
息子がADHDであることがわかるまでは、学校の先生からは「子供さんは、まったくやる気がありません」などと言われ、困り果てていた時期もありました
失敗した勉強方法
息子がADHDなのがわかるまでは色々な勉強法を試みました。
集中できる時間が短かったものですから、勉強法も短時間決戦のやり方です。
10分間単位でトライするといったやり方です。
「10分間で、どれだけ漢字を覚えられるかやってみよう」と言って、10分たったらテストします。漢字ではなく、英単語なども10分間単位で一区切りです。
驚くべきことに、信じられないぐらい覚えます。集中できれば、「この子って天才?」と思ってしまうほどです。
しかし、そのやり方は1週間も持続できませんでした。
もともとは興味が無く、やりたくない事だからです。「もう、いやだぁ!」といって逃げ出すようになりました。
うまくいった勉強方法
息子がADHDの診断を受けてから
息子に適した教育スタイルを見つけることができたのは、息子がADHDであると病院で診断されてからです。息子が中学2年生の時です。
ちなみに、私が息子を病院へ連れて行き、病院の先生に「息子はADHDである可能性が高いのでは?」と相談してわかりました。
私は、これまでの息子の行動から考えられる原因をネットで調べていき、たどり着いのが「ADHD」でした。
どちらかというと私は、病院の先生から「息子さんはADHDです」と言われることを望んでいました。
なぜなら、原因がわかっていれば、そこには対応策が存在するからです。
もし、病院の先生から「まったく、わかりません。しつけが悪いんじゃないですか」などと言われたら、どうしようかと思っていました。
方向を180度、修正
私が行ったやり方は、「特に何もしない」というやり方です。決して無関心ということではありません。
「嫌いな事は無理してやらなくてもいいのでは」という考え方です。
ADHDの子供の特徴の一つとしてよく言われるのが、嫌いなことには一切の興味を示さないが、興味あることに関しては、とことんやるということです。
こうなりゃ、「短所は切り捨て、長所を伸ばす」です。
人は勉強はできなくても、何かを極めれば生活はできるのです。生活ができるどころか、天才といわれる存在になる可能性を秘めているのがADHDなのです。
あの、バージン航空の創立者であるリチャード・ブランソンや経済評論家である勝間勝代さんや、最近だとモデルの栗原類さんもADHDであるとカミングアウトされています。
具体的には、絵を描くのが大好きだったので、美術教室に通わせて、休日には息子とスケッチするために小旅行に行ったりしました。
私はカメラが趣味だったので、その時の私は撮影を楽しんでおりました。
音楽にも興味を示していたので、手先が不器用だった息子にはストレス発散できるドラムが向いていると私が勝手に判断し、ドラムスクールにも通わせました。
私は息子に、「嫌いな勉強はしなくてもいい。ただし、人に迷惑をかける事だけは絶対にするな」と言いました。
私の教えといえば、それぐらいです。
また、息子にネットゲームはさせないようにしました。息子にとって、ネットゲームは危険な存在だからです。
ADHDの人は、きわめてネット依存症になる傾向が高いのです。やり始めると歯止めがきかなくなります。
今はドラムに夢中
息子は次第に絵を描くことよりもドラムに夢中になり、高校に入ると友人とバンドを結成し、貸しスタジオに入り浸るようになりました。
私も若い頃にバンドをやっていたこともあり、家では息子と一緒に昔のミュージシャンの動画を見たりしました。
グレて、悪い友達と遊んだりするよりもいいと私は考えました。
現在は、音楽関係の専門学校に通っています。
うまくいった理由
上手くいったかどうか?それはわかりませんが息子が現在、のびのびと才能を伸ばしているのは確かです。
勉強ができないからと言って悩むことなく、熱中できることを見つけて、ひたむきに頑張れる環境に身を置いているということを考えれば、上手くいったと言えるかもしれません。
今、こんなに生き生きと息子が目標に向かって頑張る日常を送っていけるのは、早い段階で息子がADHDであることがわかった点が大きいと思います。
ADHDだとわからなかったら、息子は「単なる好き嫌いが激しい怠け者」というレッテルを貼られていたと思います。
同じ様な特徴のお子さんを持つ親御さんにメッセージ
今の世の中は、どんな仕事が安定なのかわからない時代だと思います。
もし、子供さんがADHDだったとしても何も悲観する必要は、まったくないと思います。
それどころか、「秀でた才能の持ち主だ」と喜んでもいいぐらいです。
なぜなら、好きな事に関しては信じられないぐらいの努力をします。当人は努力とは感じていないようですが。
「~バカ」と呼ばれてもいいじゃないですか。「野球バカ」、「音楽バカ」そこまで行った人達は、好きな事で生活をしている方ばかりです。
「マイナス面をプラスにする」よりも、いっそ「プラス面を最大限に伸ばす」のも得策かもしれません。