LD(書字表出障害)の子を持つ親御さんに、うまくいった勉強方法について聞いてみました。
- 【性別】男
- 【学年】小学6年生
- 【診断名】LD(書字表出障害)、軽度ADHD(注意欠陥・多動)
- 【診断された時期】小学1年生の秋
書字表出障害の子の特徴
息子はアスペルガーと学習障害、学習障害の中でも書字障害が酷く、漢字の書き取りなどは、どんなに努力しても全くダメでした。
就学前までに発達障害と気づかなかったのは、特性でもある抜きん出た才能が理論だてた話をする事だったからです。
同年代から見ても発言は大人顔負けのしっかりした話を筋道立てて話せるのです。
これが今も学習において、つい大丈夫と感じてしまう所以です。
学校の先生も手先の不器用さや、チームプレイでの連携の取れなさ、アンバランスな心は心配くださいましたが、小学1年生の頃が学習障害があるといえ、全くそれらを感じさせない点数を取りました。
学習障害という気持ちが持てないのです。
しかし、ノートを見た時に、筆圧の濃い薄いが激しすぎたり、穴が開くまで強く書いたかとおもえば、目を凝らさないと見えないくらい小さな文字を書いている事からやはり何かあると思いました。
誰より早い理解で一躍、天才の様な扱いを受けますが、帰宅途中には完全に忘れてしまう。
これは宿題など日常の学習に直結し、非常に大変でしたし、今は随分楽になりましたが、大変です。
失敗した勉強方法
すぐに忘れてしまい、うっかりミスの日々でしたから、忘れ防止に公文に通わせました。
こちらはしつこいくらいの反復反復学習。息子には適していると思いました。
公文教室にもよるのかわかりませんが、丸つけに時間がかかる事多く、順番が守れず度々トラブルを起こします。
また、算数・英語・国語を習っていましたが、英語のeペンに興味を持ちすぎてリスニングをカチカチと延々としていました。
また、公文と言えば宿題。宿題をしたくないからと、その辺に捨ててくる様になりました。結果息子には合わずに辞めました。
学習障害が学べる環境はなかなかないと実感しました。
書字表出障害の子のうまくいった勉強方法
小学1年生時の担任の先生がベテランで、2年生から支援学級に在籍する息子の支援担任になってくれました。
この方が最初の支援担任だったおかげで、今の息子があると言って過言ではありません。
誰より早い理解をし、誰よりも早く抜けてしまってはお先真っ暗です。そんな息子のために世界で一つしかない息子用苦手反復ドリルを手書きで作ってくれました。
これは忘れがちな漢字、表現、算数の問題などが2ページビッシリあります。
3冊のノートをローテーションし、1日たりとも休まないで、学校の宿題と共に今も毎日しています。
反復反復、苦手箇所を繰り返し解くうちに全てではありませんが、ある程度完璧に定着する様になりました。
6年現在、80から90点が普通で、良い時は100点。本人も段々褒められる喜びに目覚め、丁寧にこなす様になりました。
勉強がうまくいった理由
慣れた場所、リビングなどで落ち着いて静かに先生お手製問題を解けたからだと思います。
習い事はやはりお友達が気になったり、話したくなったり、仕方ないにしても、お互い良くならない事をしてしまいがちです。
自宅リビングは、私がテレビを見ない人間なので、とても静かな環境下で、焦ったり、気になるものがない中学べました。
注意欠陥や多動もわずかですがありますので、やはりあちこちに気持ちが持って行かれてしまう環境での勉強は無理と悟りました。
自宅でコツコツと向き合えたことが一番だと思います。
書字表出障害の子を持つ親御さんにメッセージ
初めて、小児精神科に行った日、私は医師に「この子には知恵も知能もない」と言い切られました。
その時の衝撃、悲しみ、一瞬何も考えられないあの虚無感をありありと覚えています。
発達障害は複合し、最初にない障害も後からついてしまったり、逆も然りですが、なかなか掴みにくいもので、健常と呼ばれる子供の何倍も苦労されてる方が多いと思います。
息子は末っ子で、兄がいますから、健常、発達育児経験した率直な感想です。
私自身本当に良いと聞いた事はなんでもしました。
全て合致する症状はないと思いますが、息子に近い特性をお子さんが持っているならば、どうか諦めず根気強く付き合ってあげて下さい。
スローテンポでいいのでゆっくり丁寧にすることで、定着してきます。これから先は全く見えないし、明るくはないでしょう。
スローテンポの成長を見守る心のゆとりがあればと思います。