算数の学習障害がある女性本人の口コミです。
- 【性別】女性
- 【年齢】30歳
- 【診断名】学習障害(LD)/算数障害(ディスカリキュリア)
- 【診断された時期】20代半ば
学習障害(算数障害)の特徴について
得意なことは暗記です。文章問題も得意で、自分のことはずっと極端な文系だと思っていました。
苦手なことは数字に関することで、数を数えること、ひっ算の繰り上がりと繰り下がりが理解できません。
中でも暗算が本当に苦手で、一桁の5+5などの単純なものはすぐできますが、7+5などになるとちょっと時間がかかります。
勉強する上では、小学生の頃は九九は丸暗記しましたが応用ができず、テストで計算式を書くのは本当にできませんでした。
算数問題が全くわからないのでずっと10点以下、全然授業についていけなかったのです。
算数障害の勉強方法について
失敗した算数障害の勉強方法
算数問題を教師に教えてもらっても「どうして答えがそうなるのか」が理解できません。
だから公文など塾へ行っても相手の言うことが理解できないので全然ついていけませんでした。
かといって1人で勉強しようと思っても、教科書や参考書を読んでも数の概念がわからず頭がモヤモヤして気分が悪くなります。
調子が悪いと数の大、小もわからなくなることがあるので、教科書通り、授業通りという勉強方法は大の苦手、失敗しました。
その頃の教師が「筆算ではなく暗算を」と生徒に暗算を慣れさせようとする勉強方法だったのもあり、ますます算数が嫌いになったのです。
うまくいった算数障害の勉強方法
暗記は得意なので、テスト範囲をひたすら暗記しました。
とくに苦手な算数、数学(中学、高校)は九九や式、答えを丸暗記していたのです。
暗算は全然できないので計算するときは全部紙に書いて、その後で電卓を使って答え合わせをして覚えていきました。
暗算をすると指を使ってもわけがわからなくなるので、筆算と電卓さえあれば何とかなっていたのです。
他にはそろばん塾に通いました。
そろばんなどの物を使った視覚的な計算だと、すんなりと数を数えることができました。
あとは母から教えてもらった暗算方法です。
「7+5なら、7は10になるために後3つ必要だから、5から3を取って合計10にする。すると2が余る。その2と10を足すと12になる」といったように文章にします。
そうすると普通に暗算するよりも理解しやすいです。
うまくいった理由は何だと思いますか
自分なりに理解できて納得がいく方法(筆算と電卓、暗記、文章に直して計算)を身につけられたから、なんとかうまくいくようになったのだと思います。
実はこのうまくいった方法を身につけられたのは大人になってからです。
子供の頃は学習障害といった言葉も浸透していなくて、ただの勉強嫌いに分類されていました。
大人になってどうしても数に関することが苦手だと会社の上司から診断を勧められ、やっと学習障害(算数障害)だと判明したのです。
自分が算数障害で何がどうして苦手なのかわかってから勉強の苦手分野も補えるようになったので、一番大事なのは診断を受けることだと思います。
勉強について過去を振り返って
しておけばよかったなと思うこと
私が子供の頃に学習障害(算数障害)という言葉が浸透していて、そして差別的な視線も薄れていれば、もう少し学校の勉強にもついていけたのではないかと思います。
同じクラスに多動の子がいましたが、その子も「ちょっと落ち着きのない障害がある子」としか、教師が認識していなかったと今になって感じるのです。
私も教師から「○○さんは国語は得意だが算数が苦手」のよくいる、“特定の勉強が不得意なだけの子”だと思われていたのでしょう。
子供の頃に自分が学習障害(算数障害)だと気づいていれば、もっと勉強方法もあったと悔しい気持ちがあります。
算数が壊滅的にできなくて頭が悪いといじめられたこともあるので、過去に戻れるならちゃんと自分に合った勉強をしたいです。
親にしてもらいたかったこと
親は私がただの「算数(数学)が苦手で国語や英語、美術が得意な子供」だと思っていたようです。
学習障害(算数障害)は一般的な学習能力はあるので気づきにくいので仕方ないとは思いますが、もう少し「どうしてこんなに数が数えられないんだろう」と気にしてほしかったです。
そして当時は一般的ではなかったと思いますが発達障害の診断を受けることが出来ていれば、もう少し人生も変わっていたことでしょう。
同じような学習障害をもつ方にメッセージ
私のように学習障害(LD)の算数障害(ディスカリキュリア)という発達障害を持つ人は、自覚しにくい上に周りからもただの勉強嫌いと誤解されやすいところがあります。
学習障害の特徴は聞く、話すが思うようにできなかったり、読む、書くができない、計算(暗算)ができないという特徴があるので、今一度思い返してみましょう。
とくに文字を書くと鏡文字になってしまう人、自分で書いた文字を読むことができない人は書字表出障害の可能性があります。
読字障害は文章をすらすらと読めない、他にも「右手はどっち?」と聞かれたときに「どっちだっけ?」と向く方向がわからない人も学習障害の可能性が考えられます。
「もしかして」と思ったら診断を受ける、そして自分はなぜ○○ができないのかを知り、どうすればそれを補えるのか考えてください。
暗算が苦手なら筆算をする、電卓を使う、式を暗記するという方法もあるので、諦めないで自分の得意な方法で伸ばしましょう。