- 【性別】男
- 【学年】小学2年生
- 【診断名】知的障害を伴う自閉症
- 【診断された時期】3歳
自閉症(視覚優位)のお子さんの特徴
視覚優位であり耳からの言葉の理解が苦手で、目で見たものをよく記憶するという特徴があります。
3歳で発達障害と診断され中度の知的障害があるため、言葉も遅く、理解力も低いので7歳の今も知的には3歳程度です。
支援学級に在籍していてそのため勉強面では普通の子に追いつくのは不可能なのですが、視覚優位の特徴を生かして勉強を進めることでそれなりには伸びています。
果物に顔が書いてあるとわからなくなる
小さい頃、まず物の名前を覚えるという時点でつまずきました。
しかし療育を受ける中で、絵本の絵が実物とかけ離れていたり、わかりにくいものだと混乱するという特徴がはっきりしました。
例えば、果物に顔の書いてあるような可愛い絵だと全然わからなくなってしまいます。
そのため絵も実物に近いようなもの、写真ならばちゃんと物の名前を理解し覚えていけることがわかりました。
色の勉強も物を使うと、物と色がごっちゃになってダメだったので、色を教えるときは色紙で教えるようにしました。
コツをつかむと、だんだん息子なりに理解できることも増えていきました。
自閉症(視覚優位)の子にうまくいった勉強方法
小学校に入ると数の勉強をするようになりました。それもまだ数の概念が理解できていなかったため一筋縄ではいかなかきませんでした。
しかし、最初は大好きなお菓子を使って、目の前で実演しながら何個欲しいか聞くことにより、だんだんと数の概念を覚えていきました。
およそ半年かかりましたが、「2個とって」と言ったときに、3個とってしまい、1個返してくれたときの感動が忘れられません。
学校の算数は先生と相談し目で見えるように工夫していただき、マグネットなどの算数教材を活用してもらっています。
現在は繰り上がりはまだ理解できていませんが、1桁の足し算は間違えずにできるようになりました。
10個以上のものはまだ物を使わないと理解できていないので、それだと数字が増えるにつれ大変なことになってしまいので、これからの課題です。
目で見て考えられると理解しやすくなる
視覚優位の特性を活かして教えていきうまくいったと思っています。発達障害、知的障害を持つ子の多くは、目で見て考えられると理解しやすくなるようです。
視覚情報の記憶や判別が得意な子が多いため、それをうまく利用して勉強を進めていくことが本人のやる気にもつながり、勉強もスムーズに進みやすくなると思いました。
また家庭だけでは限界があるので学校の先生にも相談し、家で行っている勉強をさらに進めていくような働きを学校でしてもらえるように頼んで、受け入れていただいたことも大きいです。
自閉症(視覚優位)の子の親御さんにメッセージ
お子さんにもよりますが、視覚支援を家庭で行うのは本当に手間もかかるし、一歩一歩、子どもと二人三脚で進めていかなくてはいけないので、心が折れることも多いと思います。
私も軌道に乗るまでは半年以上かかり、何度もくじけそうになりましたが、計算ができるのと出来ないのとでは将来の選択肢もずいぶん変わってくると思って頑張りました。
またうちの場合は支援級なので、勉強の方法も先生と話し合って希望を伝えやすい環境にあったのが利点でしたが、今では普通級でも苦手な科目は通級で個別指導を受けたりできるので、何でも学校の先生にどんどん相談したら良いと思います。
また夏休みも頑張りすぎると煮詰まってしまうので、夏休みは一週間勉強したら一週間休みという風に緩めにしています。
意外と勉強再開時に理解が進んでいたりもしたので、親子共々頑張りすぎないのもポイントだと思います。