- 【性別】男
- 【学年】小学5年生
- 【診断名】アスペルガー症候群(算数が苦手)
- 【診断された時期】小3
アスペルガーのお子さんの特徴
得意なことは、日本史の歴代天皇や歴代将軍の名前を、ほぼすべて暗記できている点が挙げられます。
日本の歴史が好きで、放っておくと3時間以上、日本史の本を読んでいます。一方、苦手なことは同級生とのコミュニケーションです。
担任教諭によれば「空気を読めない行動や発言」をたまにするらしいです。勉強するうえで困ることについては、すぐに答えを求めてくる点です。
自分の頭で考えようとしない傾向が強かったです。勉強イコール暗記と思い込んでいる点があります。
苦手分野を強化する勉強方法で失敗
息子の特徴を考えると、中学へ進めば物理や数学でつまづく可能性が高いと思いました。
そして、算数については学習塾に行かせた方が良いと考え、息子を通わせてみました。苦手な分野を強化しようと考えたのです。
しかし、これが逆効果となってしまいました。
もともと算数にあまり関心がなく、好きではなかった息子は、塾での授業に次第についていけなくなり、自宅で母親に対してイライラを爆発させてしまったのです。
このため私は妻と話し合い、塾をやめさせました。それ以降は、再び息子は落ち着きを取り戻しました。
アスペルガーの子のうまくいった勉強方法
発達障害に罹患している子供が通う塾に、子供を通わせることにしました。
この学校で面談したうえで、息子に対しては、まずは得意分野や好きな科目について、さらに成績を伸ばして自信をつけさせるという方針で勉強をしてもらうことにしました。
そして、得意科目で相当な自信を持ち、息子本人が満足感を得られた段階で、さらに本人に意欲を持ってもらい、得意分野を広げていく方法を採用したのでした。
すると、息子は歴史の科目についてはすっかり満足感を得たらしく、他の教科についても関心を持つようになってくれました。
そして、塾の講師のアドバイスに耳を傾けるようになり、算数の解き方についてコツを会得するようになったのです。
また、この塾の講師は褒め上手な人物でした。息子は頻繁に褒められることによって、前向きに勉強に取り組み、少しずつ得意科目を増やしていったのでした。
もちろんテストの点数も少しずつ上がっていきました。
子どもの人間性を尊重できた
息子の長所を伸ばすことを優先したことが、うまくいっている理由だと思います。
苦手分野を挽回するという方法では、息子本人の存在やプライドを否定してしまうのだと私は気がつきました。
そこで、息子の人間性を尊重し、息子の全人格を信頼しているのだということを示したことが、うまくいくようになった最初のきっかけだったと感じています。
そして本人が好きな科目で、毎回のようにテストで満点をとるようになると、別の科目に関心を持つようになってくれたのだと思います。
また、塾の講師が上手に息子を褒め上げてくれたことも要因だと考えています。
同じアスペルガーの子の親御さんにメッセージ
アスペルガーの子に対しては、親が肯定的な姿勢を示すことが重要だと思います。
親子の信頼関係が築かれてこそ、有効な対策をとることができます。
そして、マイナスの部分を無理して挽回しようとするのではなく、いままで得意としていたことを伸ばしてあげる、あるいは応援してあげることが、子どもの長所を伸ばし、やがては子どものマイナス部分がプラスへ転換していくのではないかと思うのです。